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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁
急な裸の鉄階段を踏み外しそうにして、私は三階に行った。もとより、らくに堂々と楽屋に乗り込めたわけではないが、そうしたうるさい私の心理風景は省くとして、さて、楽屋風景であるが、ここに楽屋風景を、ことこまかに書いたものか、どうか。
書きたいところである。私のようなあさはかな性分のものは、私がかねて、まるで女の秘密でものぞくような異常な興味と好奇心で、ぜひとものぞきたいと胸を躍らせていた楽屋の風景、それに対して、諸君もまた私と同じような興味と好奇心を持っていると早呑み込みして、――しかも、そこをのぞき得て、その興味と好奇心を満足することができたのは私だけであるような一種愚劣な優越感をもって、したがって何かひけらかすような気持でもって、ヘラヘラと語りたいところであるが、――これも省こう。
省くのは、あながち約束のテンポのためだけではない。何を隠そう、そのとき、――細長い部屋の両側にズラリと踊り子たちが居並んだ、その真中に、朝野に強制(?)されて据えられた、そのときの私は、いやもう、まるで、――眼の弱い深海魚が、日のカンカン照っている派手なところへ引っ張りあげられたみたいなもので、そこのなにひとつとして正確に私の眼に映ったものはない始末なのだった。