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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁

青空文庫

朝野の問いに、

「――寺島ね」サーちゃんが代って言った。

朝野、――「寺島?」

サーちゃん、――「広小路ね」

朝――「稽古の晩は、帰るの、泊るの」

サ――「楽屋泊りだわ。あたしンとこなんかは、一時二時になっても歩いて帰れるけど」

朝――「寺島じゃ歩けんかな」(そして私の方を向いて)「さっき行った楽屋へね、みんな、泊っているんですがね。――初日と二日目だけ稽古がないだけで、三日目からは、もう次の出しものの稽古がはじまるんで、うちの遠い連中は楽屋に泊るんですがね。だから、十日のうち稽古のない二日だけしか家へ帰れないわけで、一月のほとんど、楽屋泊りなんですな。みんな、よくやっているですよ。舞台だけでも大変なところへ、はねてから稽古、そして、あんな埃っぽい楽屋に、鰯の鑵詰みたいにぎっしり詰って寝て、――実際、よく身体を悪くしないもんだと思うですよ。若さですな。若いんで、みんなやっているんですな」

(私は嶺美佐子が、――浅草の踊り子は舞台の消耗品だと、T座の文芸部員に言われたと、私に語った言葉を思い出した。)

サ――「朝野さんたら、鰯の鑵詰だなんて、ひどいことを言うわね」