輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁
漂泊の詩人は、深い感動と哀傷に打たれた風で、じっとそれを見送っていた。通訳が何か話しかけようとした。すると詩人は顔を隠すようにして、素速く踵を返し、何も言わずさっと来た道を駆け戻って行った。――倒れるように駆け出していた。
通訳が後を追ってホテルに帰ってみると、その人はベッドにうち臥して、気が狂ったのかとおもわれるような号泣のうちに激しく身悶えていたという。
「その人は年寄りなの?」
話の中途に私は口を挟んだ。問わずにいられなかったのである。
「いいや、まだ若いんだ。――僕らと同じ齢恰好らしい。三十三四というところ……」
画家の友人は沈んだ声でそう言って、私の眼を覗き込むようにした。私は、何か心がカラカラに乾き飢えていて、虚ろな腑抜けのようなぼんやりした状態ながら、同時に激しく何かを喘ぎ求めて心がヒリヒリしているこの日頃の、どうにも始末のつかない自分の有様をその友人に訴えたところ、――友人に、というよりそうして自分自身に言っていた感じだが、画家の友人がそんな外国人の話を私にしたのだ。
「僕らと同じ齢なのか。ふーん」と私はうなずいた。
しばらく沈黙があったのち、友人はつづけた。