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そんごくうのくも

孫悟空の雲

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《孫悟空の雲(そんごくうのくも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,568 字 · 9 頁

青空文庫

情報局につとめていたことは、まのあたり平野氏に、天皇制と軍国主義の至上命令の兇猛さを示しつづけただろう。そこにつとめながら、そこの仕事を批判していた消極的な自虐性は、平野氏の心理に痼疾的なぐりぐりをこしらえたかのようだ。民主的政治にも、民主的文学にも、おしなべて懐疑的であり、それを存在意義としている氏が、一人の作家に対して、何か癇にさわっている主観の角度から批判を加えようとするときには、日ごろ氏が躰をふるわすほど反撥している部分の、あらっぽい官僚主義的な考えかたや、まちがった政治主義の解釈そのままを借りて来て攻撃の武器としなければならないとは、何たる自己矛盾だろう。

その上、『新日本文学』の「平和運動と文学者」のなかに、キドウセイを軌道性と誤記した筆記のあやまちが、そのまま校正からもれていたことは、平野氏の話を一層おかしなものにした。わたしのあの話の十一頁十二頁とよめば、キドウ性は機動性であることが察しられないことはないと思う。少くとも、これは変だ、と思われたにちがいない。変だと思うとき、ひとは、それが変だからこそ、誹謗に都合がよいとして、それをつかうだろうか。