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いえ

家

島崎 藤村

線上閱讀島崎 藤村《家(いえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,748 字 · 254 頁

青空文庫

お種はお雪に附いて、裏の畠の方まで見て廻って、復た三吉の居る部屋へ戻って来た。

「オオ、ほんに、柿の樹が有るそうな」とお種は身を曲めて、庭の隅に垂下る枝ぶりを眺めながら、「嘉助がよく御厄介に成ったもんですから、帰って来てはその話サ――柿だの、李だの、それから好い躑躅だのが植えてあるぞなしッて」

庭には桜、石南花なども有った。林檎は軒先に近くて、その葉の影が部屋から外部を静かにして見せた。

お雪は乳呑児を抱いて来た。「先刻泣いたかと思うと、最早こんなに笑っています」

「ホ、御機嫌が直ったそうな」とお種はアヤして見せて、「これは好い児だ」

「私共のようにこう多勢でも困りますけれど、貴方の許でも御一人位……」

「どうも豊世には子供が無さそうですテ……」

「真実に、分けて進げたい位だ」と三吉が笑った。

「くれるなら貰うわい」とお種は串談のように言って、「しかしこれは皆な持って生れて来るものだゲナ。持って生れて来ただけは産む……そういうように身体に具わっているものと見えるテ――授からん者は仕方ない」

「なにしろ、私のところなぞは書生ばかりで始めた家でしょう――」と三吉は言った。