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いえ

家

島崎 藤村

線上閱讀島崎 藤村《家(いえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,748 字 · 254 頁

青空文庫

お雪の部屋には、生家から持って来た道具なども置かれた。大きな定紋の付いた唐皮の箱には、娘の時代を思わせるような琴の爪、それから可愛らしい小さな男女の人形なども入れてあった。親戚や知人からはそれぞれ品物やら手紙やらで祝って寄した。三吉が妻の友達にと紹介した二人の婦人からも来た。

「曾根さんは曾根さんらしい細い字で書いて来たネ」と三吉が言て笑った。

「真実に皆さんは御上手なんですねえ」とお雪も眺めた。

名倉の店に勤めている人で、お雪が義理ある兄の親戚にあたる勉からも、お雪へ宛てて祝の手紙が来た。これは又、若い商人らしい達者な筆で書いてあった。

こんな風にして、三吉夫婦の若い生涯は混り始めた。やがて裏の畠に播いた莢豌豆も貝割葉を持上げ、馬鈴薯も芽を出す頃は、いくらかずつ新しい家の形を成して行った。お雪は住居の近くに、二人の小母さんの助言者をも得た。一人は壁一重隔てて隣家に住む細君で、この小母さんは病身の夫と多勢の子供とを控えていた。小母さん達はかわるがわる来て、時の総菜が出来たと言ってはくれたり、世帯持の経験を話して聞かせたりするように成った。

五

東京の学校が暑中休暇に成る頃には、お雪が妹のお福も三吉の家へやって来た。