輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
よせとしばいと
寄席と芝居と
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《寄席と芝居と(よせとしばいと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 26,084 字 · 52 頁
したのである。木戸銭は六銭、しかも午前七時までの入場者には半札をくれる。その半札を持参すれば、来月の芝居は半額の三銭で見られる。われわれのような貧乏書生に取っては、まことに有難いわけであった。
芝居は午前八時から開演するのであるが、そういうわけであるから木戸前は夜の明けないうちから大混雑、観客はぎっしり詰め掛けている。どうしても午前五時頃までに行き着いていなければ、好い場所へは這入られない。私などは大抵四時頃から麹町の家を出るのを例としていた。夏は、好いが、冬は少しく難儀であった。お茶の水の堤に暁の霜白く、どこかで狐が啼いている。今から考えると、まったく嘘のようである。
しかしこの「牡丹燈籠」の時は、八月初めの暑中であるから、大いに威勢が好い。いわゆる朝涼に乗じて、朴歯の下駄をからから踏み鳴らしながら行った。十六歳の少年、懐中の蟇口には三十銭くらいしか持っていないのであるから、泥坊などは一向に恐れなかったが、暗い途中で犬に取り巻かれるのに困った。今日のように野犬撲殺が励行されていないので、寂しい所には野犬の群れが横行する。春木座へ行く時には、私は必ず竹切れか木の枝を持って出た。