輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

かんえいぶどうかがみ

寛永武道鑑

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《寛永武道鑑(かんえいぶどうかがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,633 字 · 26 頁

青空文庫

又五郎への助太刀は、士道の表向の意地立てだけだ、わしは気が進まぬし、断る口実は立派にある。ただ、形だけの事で、わしは出たくも無いのに、家中の虫けらに、評判されたからとて出て行く程の小心者でも無い。然し、同じ二百石でも、御前試合へ出る二百石と、出ない二百石とは、格段の相違があろうと云われたのは心外だ。殿に対して、わしは、わしの値打を示さぬと、二度と、この二百石は頂戴しかねる。それに、今出ぬと、半兵衛め、あれ見よ、荒木が御前試合に出る位強いから、同じ二百石取りであり乍ら、怯じ気がついて出ないのであろうと云われるのも、無念だ。わしから進んで――誰が、何と申そうとも、今度は出る。覚悟をしてくれ」

里恵は、すぐ、涙の落ちそうになる眼を伏せたまま、黙って立上ると、押入れの襖を開けた。そして、一包の物を持出してきて

「旅仕度で、御座ります」

と、いうと、はらはらと、涙が落ちた。

「兄への助太刀の為と仰しゃれば、一度はお止め致す所存で御座りました。なれど、妾の覚悟を示す為としては、これ、この通り、ちゃんと――」

と、云って、風呂敷を開くと、合羽、脚絆、道中服が揃えてあった。