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かんえいぶどうかがみ

寛永武道鑑

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《寛永武道鑑(かんえいぶどうかがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,633 字 · 26 頁

青空文庫

繰返し、繰返し、槍の長さとか、穂の長さとか、得手は、管槍か、素槍か、とか、いろいろ聞いて参ったそうだ。江戸よりの下り道であろう。半兵衛は、名代の腕故、荒木も、穿鑿に参ったものであろうが、御前試合にて、宮本八五郎と、相打になった程の勇士が、心得とは申しながら、半兵衛の事を、訊ねに参ったとは、武士の誉れじゃ。半兵衛がおったなら、一試合させるものを、周章てて、立去ったと申すが――」

「荒木様と、何うして、お判りに」

「数馬が、古今の美男であるし、すぐ、判って、あとを追うたが、もう、足が届かなんだ。荒木程の者が、用心しておるのだから、半兵衛も、名誉な事じゃ。一人で、淋しかろうが、落胆せずに、待っておるがよい。これだけじゃ」

「あの、お茶一つ」

内山の後姿へ、声をかけたが、内山は

「又、又」

と、手をあげて、どんどん廊下を、玄関へ出てしまった。里恵は、式台の上で、内山を見送ってしまうと

(荒木程の者が、と――それは、明らかに、夫より、荒木を豪いと考えている言葉だ。夫は、それを憤って出て行ったのだが――)

と、思うと、里恵は、家老に腹が立ってきた。

(いい事を知らせるとは、夫よりも、荒木がえらい、という事を、知らせる事では御座りませぬ――でも、荒木様は夫の事を、訊ねに――)