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かんえいぶどうかがみ
寛永武道鑑
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《寛永武道鑑(かんえいぶどうかがみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,633 字 · 26 頁
この大勢の見物の前で、同じ二百石同士が――御前試合へ出た荒木と、出ぬわしと、どっちが、鮮かか、どっちが立派な態度か? わしが、槍術の家の者として、せめて、最後の働きには、槍で十分に試合ってみたい、槍が――)
半兵衛は、自分に、槍をとらさぬよう計った荒木に
(何うだ、噂を聞いて、恐れたのだろう)
と、云いたかったが、それは、口にすべき事でなかった。と同時に、自分の得手を封じて、不得手な刀で勝負しようとしている荒木の、武士らしくない、正直でない、策略のある態度に、怒りが生じてきた。
(この見物人は、そんな事を知らんであろう。わしが、美濃の桜井半兵衛である事を知らんであろう、矢張り、剣術の者だと考えているだろう。それはちがうぞ。わしは、槍さえとれば、荒木に五分の勝負は、できるんだ。誰か、荒木に、半兵衛に槍をやれ、荒木卑怯だと、云ってくれるものは無いかしら――いいや、そんな事を考えるのは、卑怯だ。わしの不得手な太刀で、何れだけ、荒木と戦えるか? 勝敗は別として、わしが、何れだけ立派に戦ったか。それでいいのだ。わしの、立派に戦った事が、国の人へ判るなら、半兵衛が、あの時、槍さえもっていたなら、荒木と互角だと、云ってくれるだろう。