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ろうじゅうのめがね

小笠原壱岐守

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《小笠原壱岐守(ろうじゅうのめがね)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 57,249 字 · 115 頁

青空文庫

やはり子按摩は親の讐討ちに来たのじゃな」

「はっ、そうで厶ります。魂魄、――まさしく魂魄に相違厶りませぬ。親の魂魄の手引きうけて、仇討に来は来ましたが、赤堀先生は名うての腕達者、到底尋常の手段では討てまいと、習い覚えた按摩の術で先ず右腕の急所を揉み殺し、然るのちに討ち果そうと致しましたところを早くも看破されて、むごたらしい返り討ちになったのじゃそうに厶ります」

「いかさまな、味のある話じゃ。それから赤堀はどうなったぞ」

「奇怪で厶ります。それから先、水甕を覗くたびごとに、いつもいつも父親の死顔がぽっかりと泛びますゆえ、とうとうそれがもとで狂い死したそうで厶ります」

「さもあろう。いや、だんだんと話に気が乗って参った。今度は誰じゃ。誰ぞ持合せがあるであろう。語ってみい!」

「…………」

「返事がないな。多々羅はどうじゃ」

「折角乍ら――」

「ないと申すか。永井! そちは如何じゃ?」

「手前も一向に――」

「不調法者達よ喃。では林田! そちにはあるであろう。どうじゃ。ないか」

「いえ、あの――」

「あるか!」

「はっ。厶りますことは厶りまするが……」

ためらいもよいつつ林田が言いかけたのを、