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しょうせつ えんちょう

小説 圓朝

正岡 容

線上閱讀正岡 容《小説 圓朝(しょうせつ えんちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 163,270 字 · 325 頁

青空文庫

ゾクゾクと小圓太は喜んでいた。

やがて木やりのあと暢気に太鼓入りで石の巻甚句を歌い、拍手とともに音曲師は下りてきた。

十がらみの苦味走った小龍蝶という男だった。明らかにうちの師匠のほうが看板が上なのに、「御苦労様」と丁寧にこちらから声をかけた。恐縮して小龍蝶は何べんも何べんも頭を下げながら、やがてかえっていった。

そのあとは太鼓のかげの暗いところにしゃがんで待機していた坊主頭で大菊石のある浅草亭馬道という人が上がった。達者に「大工調べ」をやりだした。少し下司なところはあったが、お客にはしきりに受けていた。馬道の話し口が下司になるたび聴いていて圓生は烈しく眉をしかめた。ちょっと舌打ちするときもあったし、何かブツブツ口小言をいうときもあった。受けるままに馬道の噺はお白洲の大岡さまお裁きまでいってしまって、「大工は棟梁仕上げを御覧じませ」の落といっしょに大へんな受け方をして揚々と下りてきた。

「ア、これは。御苦労さまでござります」

初めて正面から顔を合わせてあわてて馬道が挨拶したとき圓生は、

「恐れ入った、いい腕だね馬道さん、いまにお前さんの天下がくるね、いや全く」