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しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁

青空文庫

春木少年はちょっとの間、狐につままれたような顔をしていたが、やがてこわごわカーテンから外へでると、

「ああ、みんなきて下さい。あれあれ、あんなところに……」

その声に、一同がバラバラとカーテンの影からとびだしてみると、聖壇のまえ方六メートルばかり、ぽっかりと床に大きな穴があいていて、そのなかを覗いてみると、数十メートルのはるか下に、黒ずんだ水がはげしく渦をまいていた。そして、その渦にまきこまれ、小男も、立花カツミ先生も、机博士も、木戸、仙場甲二郎も、みるみるうちに水底ふかく沈んでいったのである。

「おとし穴ですね」

「ふむ、おとし穴だ」秋吉警部は顔の汗をぬぐいながら、

「しかし、どうしてあんなことになったのでしょう。黄金メダルに書いてあることは、それでは、ひとをおとし入れるための、嘘だったのでしょうか」

戸倉老人はそれには答えず、聖壇の左の穴にはめこまれた黄金メダルの半ペラを取りだして、裏面に彫られた文字を読んでいたが、やがてにっこり笑うと、

「わかりました、かれらはこの贋物の半ペラにかかれた文句にだまされたのです。わしの持っている本物にはね、二つの半ペラを穴のなかに入れると、それより(壁際に身を避け)ふたつのメダルを、(長き竿にて押すべし)と、なっているのです。