輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁

青空文庫

老人は、かすかにうなずいた。

「さあ、これからどうしたらいいか。ぼく、山を下りて、誰かを呼んで来ますから、苦しいでしょうが、しばらくがまんしていて下さい」

そういって春木は、老人のそばから立ち上って、ふもとへ走ろうとしたが、そのとき、老人が一声高く叫んだ。

「お待ち」

「えッ」

「そばへ来てください」

「なんですか。そんなに口をきくと、また血が出ますよ」

春木は、老人のそばへ膝をついた。

「もう、もう、わしはだめだ。あんたの親切にお礼をしたいから、ぜひ受けて下さい。今、そのお礼の品物を出すから、ちょっと、横を向いて下され」

「お礼なんて、ぼくは、いいですよ。大したことはしないんだから」

「いや、わしはお礼をせずにはいられない。それにこのまま、わしが死んでしまえば、莫大なる富の所在を解く者がいなくなる。ぜひあんたにゆずりたい。あんたは、何という名前かの」

老人は、苦しそうにあえぎ、赤い泡をふき出しながら、少年に話しかける。その事柄は、真か偽かはっきりしないが、とにかく重大なことだ。

「ぼくは、春木清というのです」

「ハルキ・キヨシ。いい名前だな。ハルキ・キヨシ君に、わしは、わしの生命の次に大切にしていたものをゆずる。