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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
線上閱讀小酒井 不木《少年科学探偵(こさかいふぼくしゅうはしがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 頁
も私の見た範囲では、犯人の手掛かりになるようなこともなかったので、いくら考えても解釈はつきませんでしたけれど、私は俊夫君の性質をよく知っていますから、強いて聞くのは悪いと思って、俊夫君の命ずるままにしようと決心しました。
五時半に夕食をすまし、やがて六時になりました。戸外はもうまっ暗で、人通りも少なくなりました。七時に犯人が訪ねてきたら、俊夫君が扉をあけ、私がとびかかっていって手錠をはめるという手順でした。かねて柔道で鍛えた腕ですから、どんな人間にぶつかっても何でもありませんが、犯人がどんな風な人間だろうかと思うと、私の心は躍りました。
とうとう七時が打ちました。すると果たして実験室の外側に足音が聞こえ、次いで扉をコツコツ叩く音がしました。俊夫君は私に眼くばせして、立ち上がりながら扉をあけにいきました。
「やっ!」
と一声、私は入ってきた男をめがけてとびかかりました。
「何をするんだ。俺だよ!」
という先方の声は、どこかに聞き覚えたところがありましたが、色眼鏡をかけて顔いっぱいに鬚髯をはやしていましたから、こいつ胡散な奴だと思って捩じ伏せにかかりますと、先方もさるもの、猛然として私をつきのけようとしましたので、次の瞬間、ドタン、バタンという格闘が始まりました。