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やまのゆき

山の雪

高村 光太郎

線上閱讀高村 光太郎《山の雪(やまのゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N4,點詞查義。

N4 · 入門 · 新字新假名 · 4,208 字 · 9 頁

青空文庫

あけてもくれてもひとりでいろりに火をもしながら、食事をしたり、本をよんだり、仕事をしたりしているが、そんなにながくひとりでいるとなんだか人にあいたくなる。人でなくてもいいから何か生きているものにあいたくなる。鳥でもけだものでもいいからくればいいとおもう。

そういう時にわたしをよろこばせるのは山のキツツキだ。キツツキは夏はこないが、秋のころから冬にかけてこのへんにすんでいてときどき小屋をつつきにくる。小屋のそとの柱や、棒ぐいや、つんである薪などをつついて中にいる虫をたべるらしい。その音がなかなか大きく、こつこつこつこつとせっかちにきこえる。まるでお客がノックするような感じで、おもわず返事がしたくなる。つつく場所によってとんとんとんとんともきこえ、しばらくすると大きな羽音をさせて又べつの柱にゆく。虫がいましたかときいてみようとしているうちに、キョッというような小さな鳴きごえを出してとんでいってしまう。小屋の前にある栗の木のみきをしきりにたたいているのを見ると、頭のすこし赤いアオゲラというキツツキや、白いぶちが黒い羽についていて腹の赤いアカゲラというのが多いようだ。