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やまのゆき
山の雪
高村 光太郎
線上閱讀高村 光太郎《山の雪(やまのゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N4,點詞查義。
N4 · 入門 · 新字新假名 · 4,208 字 · 9 頁
キツツキのほかには何の小鳥か、朝はやくや、夕方うすぐらくなるころ、のきしたにつるしてあるいろいろの青ものの実や、草の実をついばみにくる小鳥がいる。朝まだねている時、障子のそとでとびまわるその羽の音が、まるで枕もとでとんでいるように近くきこえる。なんだかかわゆらしい。わたしは小鳥におこされて、目をこすりながらおきあがる。キジやヤマドリは秋には多く見かけるが雪がふるとあまりこない。遠くの沼にはカモがおりて鳴きごえだけがよくきこえる。
生きものといえば、夜になるとネズミがくる。ジネズミというのか、ハツカネズミか、ふつうのイエネズミよりも小さくて、人をおそれないネズミがはるばる雪の上を遠くからかよってくる。わたしの坐っているまわりをはしりながら、たたみにこぼれているものをひろってたべる。紙につつんでわきにおいてあるパンをたべようとして紙をくわえてひっぱる。わたしが手でたたみをたたくとびっくりしたような顔をして、とんぼがえりをして又ひっぱる。こんなに人なつこいと、アンツウでころす気にもなれない。このネズミは朝はどこかへかえっていって夜だけくる。
山のけものは多く夜の間に出てあるく。