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やまもとゆうぞうしのきょうち
山本有三氏の境地
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《山本有三氏の境地(やまもとゆうぞうしのきょうち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,155 字 · 32 頁
(一九三〇)等の長編小説が発表された。一九三一年で終っているその年譜の最後の項は次のように結ばれているのである。
「政府の議会に提出せる著作権法改正案に対し文芸家協会案を提げ修正を迫る。これに関連し『東京朝日新聞』誌上に『我等の主張の根本要旨』(主として著作権法中、教科書の無断採録について)を執筆す。我々の意見殆ど全部容認され、右議案二月末貴族院を通過す。衆議院を通過することも亦決定的なり。四六書院より戯曲集『女人哀詞』を出版。『風』なお継続。三月末完結の予定。」その後、「女の一生」「真実一路」につづいて目下「路傍の石」が東西両朝日新聞に連載中である。
さて、この自伝の概略から、読者はどういう感銘を得るであろう。ここには、一人のなかなか人生にくい下る粘りをもった、負けじ魂のつよい、浮世の波浪に対して足を踏張って行く男の姿がある。自分の努力で、社会に正当であると認められた努力によってかち得たものは、決して理由なくそれを外部から侵害されることを許さない男の姿がある。人生の路上で受けた日常の恩を忘れず記載し、又人生の路上で受けた不当な軽蔑や無視については生涯それを忘却することの出来ない執拗な人間性の姿がある。