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やまごしのあみだぞうのがいん

山越しの阿弥陀像の画因

折口 信夫

線上閱讀折口 信夫《山越しの阿弥陀像の画因(やまごしのあみだぞうのがいん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,125 字 · 30 頁

青空文庫

もっともっと重大なのは、日本人の持って来た、いろいろな知識の映像の、重って焼きつけられて来た民俗である。其から其間を縫うて、尤らしい儀式・信仰にしあげる為に、民俗民俗にはたらいた内存・外来の高等な学の智慧である。

当麻信仰には、妙に不思議な尼や、何ともわからぬ化身の人が出る。謡の「当麻」にも、又其と一向関係もないらしいもので謂っても、「朝顔の露の宮」、あれなどにも、やはり化尼が出て来る。曼陀羅縁起以来の繋りあいらしい。私の場合も、語部の姥が、後に化尼の役になって来ている。

此などは、確かに意識して書いたように覚えている。その発端に何ということなしに、ふっと結びついて来たのだから、やはりそう言うことになるかも知れぬ。が、人によっては、時がたてば私自身にも、私の無意識から出た化尼として、原因をここに求めそうな気がする。それはともかくも、実際そんな風に計画して書いて行くと、歴史小説というものは、合理臭い書き物から、一歩も出ぬものになってしまう。

岡本綺堂の史劇というものは、歴史の筋は追うていても、如何にも、それ自体、微弱感を起させる歴史であった。其代りに、読本作者のした様な、史実或は伝説などの合理化を、行って見せた。