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こうげいのみち
工芸の道
柳 宗悦
線上閱讀柳 宗悦《工芸の道(こうげいのみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,103 字 · 336 頁
五
工藝はその本質において、社会的意義に立つことを否むことができぬ。
私は資本下の社会に、工藝の美を再建する努力を徒労に感じる。同じように個人道に工藝の美を期待する根気を放棄する。そうして絶大な希望を協団に抱くことを禁ずることができぬ。
五
今の工藝界を見る時、いかに方向が区々であるか。そこにはなんらの統一がない。ある者は天平の模倣に一生を献げる。ある者は伝統の無視に専念かかる。ある者は折衷の工案に腐心する。ある者は茶器の世界に耽溺する。ある者は欧風の讃美に尽瘁する。ある者は科学的工夫に傾倒する。ある者は技巧をこれ美とし、ある者は刺戟をこれ表現とする。そこにはなんらの秩序をも見ることができぬ。人々はさながら自由を特権であるかの如く振舞う。しかしそこから何の創造が現れ得たか。いかなる工藝の一時代が生れているか。そこには明らかに滅裂する時代のみ残る。
私は人々の家を訪ねるごとに、分割された統一なき時代を感じないわけにゆかぬ。室に通れば床には宋画が掛る。だがその前には、あの見るに堪えぬ今出来の銅器を据える。主人は茶事を好んで、あの金襴の袋から井戸の茶碗を取り出す。