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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
線上閱讀高村 光雲《幕末維新懐古談(ばくまついしんかいこだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,047 字 · 5 頁
普通、女、子供であっても、寝る時は、チャンと衣物の始末を順よくして、ソレ、火事というと、仕度の出来るように習慣附けたものであった。特に、火事を重大視した実際的な証拠として、一旦、その家を勘当された悴とか、番頭のようなものが、火事と聞いて、迅速に駆け附けますと、それを手柄に勘当が許されたもの、全く火事は江戸人の重大視したものの最たるものであった。
俗に、火事を江戸の花とかいって興がるもののようにいいなされておりますが、実際は、興がるどころではなく、恐怖の最大なものであったのです。
それで、大火となると、町家の騒ぎはいうまでもないが、諸侯の手からも八方から御使番というものが、馬上で、例の火事頭巾を冠り、凜々しい打扮で押し出しました。これは火事の模様を注進する役目です。一層大きくなれば、町奉行が出て、与力とか同心とかいうものが働きます。
すべて、幕府時代においては、江戸の市中、大名、旗本の屋敷が六分を占め、四分が町家である割合ですから、町家が火事を重大視した如く、武家もまた戦場のように重く視ました。近火の場合には武家も町家も豪家になると、大提灯または高張りを家前なり、軒下に掲げ、目じるしとして人々の便を計りました。