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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
線上閱讀高村 光雲《幕末維新懐古談(ばくまついしんかいこだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,467 字 · 9 頁
この世尊院という寺は本郷駒込千駄木に今でもあります。
ついでに、も一つ猫の話をしましょう。これは私の少し悪戯をし過ぎた懺悔ばなしです。
誰でも奉公をした方は覚えがありましょうが、発育盛りの十六、七では、当てがわれただけの食事では、ややともすれば不足がちなもの……小体の家ではないことだが、奉公人を使う家庭となると、台所のきまりがあって、奉公人の三、四人も使っておれば、大概お総菜など、朝は、しばのお汁、中飯に八ハイ豆腐か、晩は鹿尾菜に油揚げの煮物のようなものでそれは吝しいものであった(朔日、十五日、二十八日の三日には魚を付けるのが通例です)。
或る年の三、四月頃、江戸では鰹の大漁で、到る処の肴屋では鰹の山を為していました。それで何処の台所へもざらに鰹が這入る。師匠の家でも或る日鰹の刺身がお総菜に出るという塩梅、大漁のお蔭にて久しぶり我々は有難くそれを頂戴したことであったが、今申す如く、発育盛りの年輩ですから、おきまりの一人前の刺身位は物の数でもなく、たちまちそれは平らげられてしまいます。おかしいお話だが、実は口よごしといった位のもの……それでかえって物足りない気がして、もっと心行くばかり今の刺身が食べたいという気持になるは無理もなく、台所には、まだ師匠や妻君の分が大分皿に盛られたまま晩食の分が鼠入らずに這入っ