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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

線上閱讀高村 光雲《幕末維新懐古談(ばくまついしんかいこだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,470 字 · 3 頁

青空文庫

歳の市は浅草観音の市が昔から第一、その次は神田明神の市、愛宕の市、それから薬研堀の不動の市、仲橋広小路の市と、この五ヶ所が大きかった。

薬研堀と、仲橋広小路の市は、社寺の境内でなく、往来に立ったのだから、その地割がその筋でやかましく、いろいろ干渉されますので、土地の世話役は旨く極め合いを附けるのが骨が折れたものです。

それは往来の許す限り大小店が数多出来て、自然往来へはみ出すからです。警察がやかましく、世話役を呼びつけ、彼所をもっと、どうかしろと、棒を出すと、ハイハイといって置いてそのままにして置く。すると、また呼び出される。今度は別の男が行く。同じことを注意されると、畏まりましたで引き退る。また呼ばれるとまた別の男が出る。その不得要領の中に縁日は済んでしまうのだそうです。

仲橋広小路の市は、ちょうど鰌屋の近辺が一番賑やかであった(江戸の名物鰌屋は浅草の駒形、京橋で仲橋、下谷で埋堀、両国で薬研堀この四軒でいずれも鰌専門で汁と丸煮だけである)。仲橋は下町でも目抜きの場所であるから、市などの景況も下町気分で浅草とはまた変った所がありました。

歳の市は飾り松、竹、〆縄、裏白、橙、ゆずり葉、ほん俵、鎌倉海老など、いずれも正月に使用するものですから「相更らず……」