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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
線上閱讀高村 光雲《幕末維新懐古談(ばくまついしんかいこだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,422 字 · 3 頁
下谷西町で相変らずコツコツと自分の仕事を専念にやっている中に、妙なことで計らず少し突飛な思い附きで余計な仕事を遊び半分にしたことがあります。これも私の思い出の一つとして記憶にあること故、今日はその事を話しましょう。
その頃(明治十八年の頃)下谷に通称「佐竹原」という大きな原がありました。この原の中へ思い附きで大仏を拵えたというはなし……それは八角形の下台ともに高さが四丈八尺あった。奈良の大仏よりは一丈ほど小さいが、鎌倉の大仏よりよほど大きなもの、今日では佐竹の原も跡形なくちょっと今の人には想像もつかないし、無論その大仏の影も形もあることではない。夢のようなはなしではありますが、それがかえってはっきりと思い出されます。
私の住んでいる西町から佐竹の原へは二丁もない。向う側は仲御徒町で、私の宅からは初めての横町を右に曲り、これを真直に行くと生駒屋敷の裏門となる。西町の通りを真直に浅草の方へ向いて行けば左側が七軒町、右が小島町で今の楽山堂病院のある通りとなる。竹町は佐竹の原が形を変えて市街となったので、それで竹町というのであって、佐竹の屋敷を取り払った跡が佐竹の原です。