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へいわじぎょうのしょうらい
平和事業の将来
大隈 重信
線上閱讀大隈 重信《平和事業の将来(へいわじぎょうのしょうらい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,320 字 · 23 頁
ところが、今日の如き、支那の情態では、何時平和が破れるか知れぬのである。如何に平和を欲するも、むずかしいと思うのである。畢竟、亜米利加などに多少の誤解の起るのは、皆支那からである。支那自らの力が足らぬから、日露戦争も起ったのである。全く支那には国を守るの力がないのであるから、世界の平和事業のためには、支那をして自ら国を守るに足るべき地位に達せしむるということが、今日の急務なりと信ずるのである。もしこれを為さむとすれば、吾人が半世紀間苦しんだことを忘れずに、一等国になったとはいうものの、先進国に比較すれば、文明の程度も低い、富の上にも、道徳の上にも、ことに学術の上にも、よほど幼稚であるのであるから、今後吾人は大いに努力しなくてはならぬのである。それならば、吾人の困難して来たところを以て、文明の程度の低い国に向って、充分に同情を表するということが最も必要である。これが平和事業の初歩である。
国民の意思が、そういう工合に働いて来れば、日本は侵略的国民でない。戦いを好む国ではないという事が分って、世界の誤解も自ずから解けるのである。かくの如く誤解を解く上に於ても、日本国民が一段文明の程度の低い国に向って、いわゆる人道的の働きを為すということが、最も有効なることであって、これが即ち道義の力はドレッドノート以上である