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へいわじぎょうのしょうらい

平和事業の将来

大隈 重信

線上閱讀大隈 重信《平和事業の将来(へいわじぎょうのしょうらい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,320 字 · 23 頁

青空文庫

その疑問を今ここに提出する事は、決して無用に非ずと思うのである。全体、私は平和を疑っているのである。まず、平和会議の提議者は、平和の攪乱者であるという事を記憶しているのである(拍手)。千八百六十八年に、那破列翁三世が平和会議を主唱した。而して、三年の後には平和が破れたのである。平和を破ったものは果して誰であるか。独逸の維廉帝であるか、仏蘭西の那破列翁であるか。これには各々議論があるようであるが、まず公平なる歴史家は、どうも那破列翁らしいというている。そうすると、平和の主唱者は、平和の攪乱者であったということになる。その次に、第一回の海牙の平和議会は、誰が主唱者であったかというと、諸君もご承知の通り、露国皇帝であった。而して、その第一回の海牙の平和議会を距る僅かに九年の後には、日露の戦争が起ったのである。これも日本から言えば、平和を破ったということの責任は決してない。平和を破ったのは露国であるというが、露国から言えば日本なりと言う。これは水掛論で、果して何方が破ったかということは、よほど疑問である。これは第三者の判決を竢たなければならぬが、歴史家が筆を執ったならば、露帝が破ったのであると見はしないかと思う(拍手)。