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へいわじぎょうのしょうらい

平和事業の将来

大隈 重信

線上閱讀大隈 重信《平和事業の将来(へいわじぎょうのしょうらい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,320 字 · 23 頁

青空文庫

〔平和を破る者は誰ぞ〕

これは日本人たる我輩の議論では、あまり証拠にならぬかも知れぬが、自らはそう考えている。そうしてみると、平和の主唱者は平和の攪乱者である。そうすると、平和協会の会長は、平和の攪乱者になるかも知れないのである(拍手)。

〔平和を破る者は誰ぞ〕

それから、全体、今日の世界は、何故にかくの如く武装を為しているか。驚くべき武装を為しているのである。千八百七十年以来、仏蘭西と独逸の戦争以来、世界の強国の武装の盛んなこと、前古無比である。また近世にて、日露の戦後、世界の海軍の拡張の盛んなること、前古無比である。今日軍備の拡張のために、世界に冠たる富をもっている英国もなお且つ財政の困難に遭遇して、この財政のために英国は大いに混雑を惹起しているのである。多分、昨今の英国の情態はほとんど戦場の如き有様を呈しているであろうと思う。かくの如き混雑を何から惹起したかというに、大部分は軍備である。昨年独逸に於ては財政、即ち増税案のために高名なる大政治家――ほとんど十年間、独逸の大宰相としてビスマーク公に譲らぬところのピュロー公は、議会の反対に苦しんで、到頭自分の地位を抛つの已むなきに至ったのであります。