輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まぼろしのその

幻の園

豊島 与志雄

線上閱讀豊島 与志雄《幻の園(まぼろしのその)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,788 字 · 14 頁

青空文庫

そういうことが子供にも影響していました。その上私の家は表が長い坂道になっていましたので、それをわざわざ上ってくる子供もなく、私もそれをわざわざ下りてゆくこともせず、いつも家敷の中で一人遊んでいました。ただ、みよ子だけが時々坂を上ってきてくれました。

みよ子の家は農家でしたが、何かしら一種の家風を具えた富有な家で、その父親は私の父と特別の交渉があるらしく、屡々訪れて来ていました。そして私とみよ子とは、いつから知り合ったともなく、親しくしていました。みよ子には生れて間もない弟が一人ありました。

「僕には、どこかに兄弟が一人いるような気がするよ。」と私はみよ子に云いました。

「あたしもそうよ。」とみよ子は云いました。「あの赤ん坊とは、あたし姉弟じゃないかも知れない。」

そして私たちは、どこかに同胞があるという秘密をお互に話しあって、手をとりあって籔影に隠れにいくのでした。籔影には、名も知れない小さな雑草に、白い花が咲いていたり、赤い実がなっていたりしました。

「お祖母さんに聞いてみたいんだけれど、どう云って聞いたらいいかしら……。」

「およしなさいよ。ひょっとすると、あたしたちが姉弟かも知れないんだもの。