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ゆうれいせんのひみつ

幽霊船の秘密

海野 十三

線上閱讀海野 十三《幽霊船の秘密(ゆうれいせんのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,846 字 · 62 頁

青空文庫

「おい、丸尾。録音はうまく出ているか、ちょっと調べてみたまえ」

局長の命令は、きびきびと急所をおさえる。丸尾は、はっと気がついて、さっそく録音盤の廻っているところをのぞいた。

「局長、だめです。盤はまわっていますが、録音の溝は、ほんの微かについているだけで、これじゃ音が出そうもありません」

「そうか」局長は眼をちらりとうごかすと、すぐ手をのばして受話機をとった。そしてそれを耳にあてた。

「うむ、聞えることは聞えているが、これはまたばかに弱いね」

そういって局長は、受話機をとると、慣れた手つきで、そのうえに鉛筆を走らせた。これが居睡から覚めたばかりの人であろうかと疑問がおこるほど、局長は、極めて敏捷に、事をはこんだ。

「おい、丸尾、すぐ方向を測りたまえ」

「はあ、方向を測ります」

ぼんやり立っていた丸尾は、ここでやっと正気にかえって、命ぜられた方向探知器にとりついた。

甲板のうえに出ている枠型空中線の支柱を、把手によってすこしずつ廻していると、電波がどっちの方向から来ているか分る仕掛になっていた。これは学校時代から丸尾の得意な測定だったので、自信をもってやった。