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にわをつくるひと
庭をつくる人
室生 犀星
線上閱讀室生 犀星《庭をつくる人(にわをつくるひと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,332 字 · 19 頁
石について
こんな色道は枯れ侘びてなお余燈に対うようで、わたくしは好きである。遠州好みの茶庭のように大樹一本、小樹四五本、踏石を分けた中庭括り、八ツ窓茶室というような感じである。そのように整うところに何かの色があった。さびももとを掘じくり出すと何かの色が出て、褪めていて懐しいものである。
石について
わたくしは世に石ほど憂鬱なものはないと思うている。ああいう寂しいものを何故人間は愛で慕うのであるか。
蕭条と石に日の入る枯野かな蕪村
こがらしや畠の小石目に見ゆる同
木枯や小石のこける板ひさし同
石が寂しい姿と色とを持っているから人間は好きになれるのだが、反対のものであったら誰も石好きにならないであろう。その底を掻きさぐって見たら石というものは飽かないものであるからである。さびは深く心は静かである。人間はその成長の途中で石を最初におもちゃにするようであるが、また最後におもちゃにするのも石のようである。俳句が文韻の道の初歩のものであるとしたら、老いてまた最後の文事の友でなければならぬ。わたくしは幼児川原に遊んで遠くに石を投げて見て、何秒かの後に始めて戞然たる石が石を相打つを聞き、世の幽寂の最初に触手した感じを抱いたものであった。