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つれづれぐさのかんしょう

徒然草の鑑賞

寺田 寅彦

線上閱讀寺田 寅彦《徒然草の鑑賞(つれづれぐさのかんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,582 字 · 14 頁

青空文庫

と答えたとある。またいもがしらばかり食った盛親僧都の話でも自由風流の境に達した達人の逸話である。自由に達して始めて物の本末を認識し、第一義と第二義を判別し、末節を放棄して大義に就くを得るということを説いたのには第百十二段、第二百十一段などのようなものがある。反対にまた、心の自由を得ない人間の憐むべく笑うべくまた悲しむべき現象を記録したものが非常に沢山に収集されていて、それがまたこの随筆集中の最も面白い部分をなしているのである。似非風流や半可通やスノビズムの滑稽、あまりに興多からんことを求めて却って興をさます悲喜劇、そういったような題材のものの多くでは、これをそのままに現代に移しても全くそのままに適合するような実例を発見するであろう。十四世紀の日本人に比べて二十世紀の日本人はほとんど一歩も進んでいないという感を深くさせるのはこれらの諸篇である。新しがることの好きな人は「一九三三年である。今頃『徒然草』でもあるまい」と云うが、そういう諸君の現在していることの予報がその『徒然草』にちゃんと明記してあるのである。

鼎をかぶって失敗した仁和寺の法師の物語は傑作であるが、現今でも頭に合わぬイズムの鼎をかぶって踊って、見物人をあっと云わせたのはいいが、あとで困ったことになり、耳の鼻もぎ取られて「からき命まうけて久しく