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こころはおおぞらをおよぐ
心は大空を泳ぐ
小川 未明
線上閱讀小川 未明《心は大空を泳ぐ(こころはおおぞらをおよぐ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 1,813 字 · 4 頁
いまごろ、みんなは、たのしく話をしながら、先生につれられて、知らない道を歩いているだろうと思うと、勇吉は自分から進んで、いきたくないと、こんどの遠足にくわわらなかったことが、なんとなく残念なような気がしました。
しかし、家のようすがわかっているので、このうえ、父や母に、心配をかけたくなかったのでした。
「おまえがいきたいなら、お父さんは、なんとでもして、つごうをつけてやるから。」と、父はいいました。けれど、彼は、頭を強く横にふりました。
そのとき、これを見た母は、なんと感じたか、目に涙をためていました。
緑色の大空を、二羽のつばめが、気ままにとびまわっていました。それを見ていた勇吉は、
「ぼく、つばめになりたいなあ。そうしたら、すぐ、みんなのところへ、いけるのになあ。」と、ひとりごとをしました。
たちまち、目に、工場や、製造場のある、にぎやかな町が見え、また船の出たり、入ったりする港がうかんできて、見るもの、聞くもの、すべてこれまで、知らなかったことばかりでした。ちょうど、みんなは、大きな工場を見学して、いま、その門から出たところで、先生のお話を聞きながら、港のほうへ、歩いていたのでした。