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「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
線上閱讀小酒井 不木《心理試験(「しんりしけん」じょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,338 字 · 197 頁
に感心してかかる優れた作品を生むのは氏の人格の然らしめるところであろうと言ったのは私も大に賛成である。全く「文は人なり」という言葉は氏に対して最もふさわしいものである。
氏の文章は一のリズムであると同時に一種の力である。氏の作品もまた一種の力である。氏の作品を読んで、ひしひしと胸に迫って来るある力を感じない人は恐らく一人もあるまい。その感じは爆裂弾を投げられたような感じである。そうして、この感じは氏に接しているときにも起る。氏はこの力で自己の病を征服し、世を征服しようとしておられる。だから、ある人は氏を評して爆弾の如く痛快な人だと言った。又ある人は氏を評してとても愉快な語人だと言った。まったく氏と語って痛快を覚えぬ人はあるまい、そうしてその後に何物かを氏から投げ込まれていることを気づかぬ人はあるまいと思う。
氏のこの性質は、氏が信州人であるということを知れば一層よく理解することが出来ると思う。氏に接するとき私はいつも、雪に蔽われて剣のように尖っている信州の連山を思い起す。同じ雪の山でも富士山のように平凡ではない。そうして氏の作品も富士山のように高踏的ではなくて、信州の連山のように大衆的である。