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かいじんにじゅうめんそう

怪人二十面相/少年探偵団

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《怪人二十面相/少年探偵団(かいじんにじゅうめんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 212,130 字 · 422 頁

青空文庫

板戸の表面には、またしても白墨で、三十センチ四ほうほどの、大きな「4」いう字が書いてあるではありませんか。ああ、二十面相は、とうとう、この奥まった部屋までも、ふみこんできたのです。

大鳥氏はそれを見ますと、もうびっくりしてしまって、もしや黄金塔がぬすまれたのではないかと、急いでかぎをとりだし、板戸をあけて床の間を見ましたが、黄金塔はべつじょうなく、さんぜんとかがやいていました。さすがの賊にも、三段がまえの防備装置をやぶる力はなかったものとみえます。

しかし、ここまでしのびこんでくるようでは、もういよいよゆだんがなりません。刑事や店員の見はりなどは、このお化けのような怪盗には、少しのききめもありはしないのです。

「今夜から、わしがこの部屋で寝ることにしよう。」

大鳥氏は、とうとうたまらなくなって、そんな決心をしました。そして、その夜になりますと、黄金塔の部屋に夜具を運ばせて、宵のうちから床にはいり、すきなたばこをふかしながら、まじまじと宝物の見はり番をつとめるのでした。

十時、十一時、十二時、今夜にかぎって、時計の進むのがばかばかしく、おそいように感じられました。