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かいじんにじゅうめんそう

怪人二十面相/少年探偵団

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《怪人二十面相/少年探偵団(かいじんにじゅうめんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 212,130 字 · 422 頁

青空文庫

てみるように命じました。

老人はしりはしょりして、床下においてあったくわを取り、心おぼえのある場所を掘りかえしていましたが、やがて、がっかりしたような声で、

「だんなさま、ありません。塔は、あとかたもなく消えうせてしまいました。」

と報告するのでした。

大鳥氏はそれを聞きますと、落胆のあまり、そこへしりもちをついたまま、口をきく元気もなく、しばらくのあいだぼんやりと、床下のやみのなかをながめていましたが、やがて、ふしぎにたえぬもののように、小首をかたむけました。

「おい、門野君、どうもへんだぜ。わしはあれをここへうずめてからというもの、洗面所へ行くほかは、この部屋を少しも出なかった。もしだれかが、わしのるすのあいだに、ここへしのびこんだとしても、たたみをあげ、床板をはずし、土を掘って、塔を持ちだすなんてよゆうは、まったくなかったはずだぜ。いったいあいつは、どういう手段でぬすみだしゃあがったのかなあ。」

大鳥氏はくやしいよりも、何よりも、ふしぎでたまらないというおももちです。

「わたくしも、今それを考えていたところでございます。あたりまえの家でしたら、庭のほうの縁がわの下から、床下へはいこむという手もありますけれど、このお座敷の縁がわの下には、厚い板が打ちつけてございますからね。