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かいじんにじゅうめんそう

怪人二十面相/少年探偵団

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《怪人二十面相/少年探偵団(かいじんにじゅうめんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 212,130 字 · 422 頁

青空文庫

これは、実業界の大立者、羽柴壮太郎氏の邸宅です。

羽柴家には、今、ひじょうな喜びと、ひじょうな恐怖とが、織りまざるようにして、おそいかかっていました。

喜びというのは、今から十年以前に家出をした、長男の壮一君が、南洋ボルネオ島から、おとうさんにおわびをするために、日本へ帰ってくることでした。

壮一君は生来の冒険児で、中学校を卒業すると、学友とふたりで、南洋の新天地に渡航し、何か壮快な事業をおこしたいと願ったのですが、父の壮太郎氏は、がんとしてそれをゆるさなかったので、とうとう、むだんで家をとびだし、小さな帆船に便乗して、南洋にわたったのでした。

それから十年間、壮一君からはまったくなんのたよりもなく、ゆくえさえわからなかったのですが、つい三ヵ月ほどまえ、とつぜん、ボルネオ島のサンダカンから手紙をよこして、やっと一人まえの男になったから、おとうさまにおわびに帰りたい、といってきたのです。

壮一君は現在では、サンダカン付近に大きなゴム植林をいとなんでいて、手紙には、そのゴム林の写真と、壮一君の最近の写真とが、同封してありました。もう三十歳です。鼻下にきどったひげをはやして、りっぱな大人になっていました。