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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
線上閱讀寺島 柾史《怪奇人造島(かいきじんぞうとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 頁
「どうして、この船を奪うのさ」
「なアに、わけはないよ。今から、君は運転士になればいいのさ。僕は、機関士。いいだろう。奴等の留守の間に、二人で、この巨船を動かして、一路横浜へ凱旋するンだ。愉快じゃないか」
「なるほど、海賊たちを、北洋に置去りして、そのまに横浜へ往くのか。こいつは妙案だ」
僕は、陳君の奇計に、おもわず手を拍いた。が、考えてみると、この奇計も、やっぱり、少年だけの智慧しかないとおもった。
「僕も君も、素人だぜ。この巨船を運転することが出来やしないじゃないか」
陳君は、微笑んだ。
「君は、むざむざ、太平洋の真ン中で、鱶の餌食になりたいのか」
「いや、そいつも真ッ平だ」
「じゃ、僕の計画どおりにしたまえ。君は、一等運転士、そして、僕は、機関士。いいかい。僕は、すぐに機関室へ降りて往って、機関を動かすぜ。絶好の機会だ」
陳君は、勇躍一番、そのまま、甲板から姿を消してしまった。
あッ! 機関が停った
僕は、一等運転士を押付けられて、さすがに不安だった。船には、僕等のほかに、当番水夫が四、五人残っているだけだった。それだけの人数で、この巨船を横浜まで回航できるだろうか。