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かいいくらやみまつり

怪異暗闇祭

江見 水蔭

線上閱讀江見 水蔭《怪異暗闇祭(かいいくらやみまつり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,923 字 · 26 頁

青空文庫

「どんな準備をして」

「目つぶしです。目つぶしを仕入れて、それを叩きつけてから斬付ける手筈でしたが、矢張いけませんでした。長四郎があべこべに眼を潰されて了いました」

「向うから目潰しを投げたのか」

「いいえ、指を眼の中へ突込みやあがったので」

「酷い事をするな」

「とうとう私一人になってしまいました。今年は口惜しいから、どうしても私一人で敵を討つ了簡で、実は種ヶ島を忍ばせているんでございます」

「去年も矢張山伏姿か」

「左様でございました」

「そいつではないか。去年、武家の顔面を傷つけたのは……」

「さあそうかも知れません」

「臀肉を切ったというのは、その者ではあるまいか」

「多分そうかも知れませんな」

「七三郎とやら、お前、拙者に隠してはいかんぞ。お前と長四郎とで、旗本六人の鼻の頭を斬ったのじゃあないか」

「いや隠しません。隠すくらいなら初めからなんにも云いません。や、白状ついでだから一つは云いますが、本陣へ忍び込んで、大名のお部屋様の小指を切って逃げたのは私です。その女は私の稚友達だったのですから」

「じゃあ全く、その方、旗本の鼻や、女の臀を切ったのではないのだな」

「前には男女の髪は切りましたが、昨年は、お部屋様のほかにはなんにも致しませんでございました」