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かいいくらやみまつり
怪異暗闇祭
江見 水蔭
線上閱讀江見 水蔭《怪異暗闇祭(かいいくらやみまつり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,923 字 · 26 頁
武蔵では古社のうちへ数えられるのだ。
毎年五月三日には、競馬が社前の馬場において、暗闇の中で行われる。四日には拝殿において神楽が執行される。五日には大神事として、八基の神輿が暗闇の中を御旅所に渡御とある。六日には御田植があって終るので、四日間ぶっ通しの祭礼を当込みに、種々の商人、あるいは香具師などが入込み、その賑わしさと云ったらないのであった。
源八郎は番場宿の立場茶屋に入って、夕飯の前に一杯飲むことにした。客はほとんど満員の有様なので、ようやく庭の隅の方の腰掛に席を取った。
「肴は何があるな。甲州街道へ来て新らしい魚類を所望する程野暮ではない。何か野菜物か、それとも若鮎でもあれば魚田が好いな」
「ところがお侍様、お祭中はいきの好い魚が仕入れてございます。鰈の煮付、鯒ならば洗いにでも出来まする。そのほか海鰻の蒲焼に黒鯛の塩焼、鰕の鬼殻焼」
「まるで品川へ行ったようだな」
「はい、みな品川から夜通しで廻りますので。御案内でもござりましょうが、お祭前になりますると、神主様達が揃って品川へお出でになり、海で水祓をなさいまして、それから当日まで斎にお籠りで、そういう縁故から品川の漁師達も、取立ての魚を神前へお供えに持って参りまするが、同じ持って行くのならたくさん持って行って売った方が好いなんて、いつの間にやら商売気を出し