輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おそろしきつや

恐しき通夜

海野 十三

線上閱讀海野 十三《恐しき通夜(おそろしきつや)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,092 字 · 30 頁

青空文庫

――で其の次兄というのが、智恵袋を、いくたびもいくたびも絞りかえしているうちに、とうとう彼は、その場に三尺も躍りあがるような、素晴らしい復讐を考えついたのだった。それは……」

と、ここまで大蘆原軍医が話してくると、どこかで、

「コトコト、コトコト……」

と扉を叩くような物音がした。三人の男は、サッと顔色をかえると、一斉に入口の扉の方にふりむいたのだった。

「吁ッ!」

扉が、しずかに手前へ開いてゆく。

扉の蔭から、若い女の姿が現われた。ぴったり身体についた緋色の洋装が、よく似合う美しい女だった。

「紅子――」

そう呼んだのは、川波大尉だった。それは、紛れもなく川波大尉夫人の紅子に違いなかったのであった。

「紅子、お前は一体、どうしてこんな夜更に、こんな場所までやって来たのだ」

「ちょいと、お顔がみたかったのよ。それだけなの、おほほほほ」

と紅子は笑いながら、悪びれた様子もなく一座を見まわした。このときニヤリと笑ったのは、星宮学士だった。待ち構えたように、それを逸早く認めた川波大尉だった。彼は軍医の話をそちのけにして、スックリ其の場に立ち上った。

「紅子、お前にちょっと聞くが、儂が土耳古で買ってきたといった珍らしい彫刻のある指環を、お前にやって置いたが、先日そいつを、どこかで失くしたと云ったね」