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きょうふのまぼろしへいだんいん

恐怖の幻兵団員

大倉 燁子

線上閱讀大倉 燁子《恐怖の幻兵団員(きょうふのまぼろしへいだんいん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,784 字 · 28 頁

青空文庫

私立探偵社の客

私立探偵社の客

遠くの方でベルが鳴ったと思っていると、忽ち寝室のドアがはげしく叩かれ、

「先生、先生お客様ですよ」

せっかちの家政婦に起された。

枕時計を見ると朝の六時だ。私立探偵なんて職業を持っていると、とんでもない時間に訪問を受けることがしばしばある。そういう人に限って、厄介な用件を持ち込むものだ。私は舌打ちしながら、毛布をすっぽりと被ぶったまま、

「やかましい! これからもう一寝入りしようと思ってるんだ。用があるなら待たしておけ」

「だって、先生、大至急お目にかかりたいって仰しゃるんですよ」

「何んて人だ?」

「お名前は仰しゃいませんが、お目にかかればわかるって、立派な方、凄いような美人で――、お若い方なんですよ」

私は毛布をはね退け、むっくりと起き上って、

「しょうがないなあ。客間に通しておけ」

私はいつの場合でも、身だしなみだけはきちんとしていた。安全剃刀を当てて、いそいで顔を洗うと、外出着に着換えて、客間に現われた。

「やッ。あなたでしたか。失礼しました。お名前を仰しゃらぬものだから――」

朝陽のさし込んでいるウインドウの傍に、椅子を持って行って、