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きょうりゅうとう
恐竜島
海野 十三
線上閱讀海野 十三《恐竜島(きょうりゅうとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 頁
ないようであった。
タイガ号は恐竜のため船体をまっ二つに割られ、いったん浪にのまれたが、その後また恐竜におもちゃにされてはねとばされたものと見え、船尾の方はずっと島の近くの暗礁の上にのって居り、船首の方はそれから百メートルほどはなれたところに、船首のほんの先っちょと、メイン・マストを波の上に出していた。さんたんたるタイガ号の姿であるが、これを見ても恐竜の力がおそろしく強いことがうかがわれる。
タイガ号の乗組員はどうなったであろうか。かげも姿も見えない。しかしほとんど助かっていないであろう。それに今は下げ潮のこととて、附近の漂流物は沖合へ流されているのだ。
「ああ、総督閣下。お早ようございまする」
がらがら声で団長セキストン伯爵があいさつをした相手を見れば、余人ならず、玉太郎だった。
「ぼくは総督ではありませんよ」
と、玉太郎ははにかむ。
「いや、あなたは総督です。われわれは総督がおられる、この島へ昨日上陸をゆるされたのですからねえ」
伯爵は大げさな身ぶりともののいい方で、玉太郎へ敬意を表した。玉太郎は昨日のことを思い出した。
さびしく海岸にひとり火をたいて睡りについた玉太郎は夢の中で、ラツールと愛犬ポチの姿をもとめていた。