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かんしょうしゅぎ

感傷主義

辰野 隆

線上閱讀辰野 隆《感傷主義(かんしょうしゅぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,896 字 · 8 頁

青空文庫

感傷主義――サンチマンタリスム――にも、ぴんからきりまである。最も通俗なのは『金色夜叉』や『不如帰』をはじめ、所謂大衆小説と呼ばるる無数の小説を貫く甘い涙ぐましさとかいうものであろうが、高級なサンチマンタリスムには、『ボヴァリイ夫人』や『感情教育』の如き、凡そ大衆的な涙の味とは逆行する苦笑や憐憫、さては『エディポス王』や謡曲『隅田川』の如き、一つは酷烈な、一つは哀切な運命悲劇の醍醐味もあるだろう。

リイル・アダンの『残酷篇』という短篇小説集に『感傷主義』と題する一話が収められている。

春の一夜、巴里シャンゼリゼエ大通りの並樹の下で、青年貴族マキシミリヤンと佳人リュシエンヌが極めて物静かに語り合っている。二人は既に半年ほど前からの恋仲であったが、リュシエンヌには、徹底的に芸術家であるマキシミリヤンの、二重にも三重にも綾のある心理が徒らに複雑に思われ冷やかにさえ感じられるのに漸く不安と恐怖の念を抱くようになって、その夜、彼女は男に、分れ話を持ちだす決心をしたのであった。彼女は自分の決心を語る準備として、「芸術は宿命的に感情硬化に到達するのではなかろうか」