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せんそうざっき
戦争雑記
徳永 直
線上閱讀徳永 直《戦争雑記(せんそうざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,149 字 · 25 頁
っちょろけたお椀に、飯や汁を一緒に盛って食いながら、私の読む講談に聴き惚れるのが習慣であった。
まったく四年生になった頃は、私は学校じゅうでの講談通であった。一度こういうことがあったのを覚えている。私達の級の利け者であった近松という男生徒が、加藤清正と木山弾正と組討して、崖から落ちている場面の絵を描いて、皆に見せびらした。ところが、五年生の級長の米村というのが、木山弾正じゃない四天王但馬守がそうだと云い出した。木山弾正か四天王但馬守か判断がつかなくなり、近松の級三十人ばかりと、米村の級二十五六人ばかりが対抗して、木山だ、いや四天王だと云い張って、危なく大喧嘩になろうとした。それで気転の利いた奴が、態々、欠席していたので、私の家まで迎いに来て、その裁判をしてくれと云うので、私は弟を脊負ったまま、皆のいる所へ行って、「木山弾正である」という説明をして、木山の方が、清正より却って強者で、清正は最初組敷れていたのだが、崖から落ちた拍子に、兜が蔓に引っ絡らんで上になりやっと討ち取ることが出来たのだ、と云った。それで要するに私の級が勝になって、皆は私を擁して喜んだが、そのかえりがけ一人になったところを、米村一派の連中から取り巻れて、散々になぐられたのだった。