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きょこくいっちたいせいとこくみんせいかつ

挙国一致体制と国民生活

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《挙国一致体制と国民生活(きょこくいっちたいせいとこくみんせいかつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,570 字 · 17 頁

青空文庫

日本の社会はしばらく前から準戦時体制に這入ったと喧伝されている。だが昨今は、もはや準戦時体制ではなくて寧ろ戦時体制に這入った、と云うべきだろう。或いは戦時動員体制に這入ったと云ってもよい。尤も北支事変は、軍当局が厳かに命名したように『「北支」「事変」』であって、決して全面的な日支戦争などではないのだし、国交断絶に照応する戦時動員はないわけであるから、之を以て真正の戦時体制とも真正の戦時動員体制とも云うことは出来ないかも知れないのだが、国民の覚悟とか民衆の義務とか社会のジェスチュアとかとしてなら、立派に戦時体制・動員体制・にあるのである。この準戦体制という譬喩的体制から、譬喩でない本当らしい戦時体制に這入ったという、社会の推進が、国民の政治常識をケシ飛ばして了うエネルギーを持っていたのだ。北支事変が挙国一致を招来したということは、そういうことなのだ。

処が又、準戦時体制から戦時動員体制へ行くと、この執拗な国民的政治常識がなぜケシ飛ばされ得るのであろうか。読者はここで例えば戒厳令が布かれた場合を想像して見るとよい。これは政治的常軌が完全に停止されることを意味する。