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たんていしょうせつのなぞ

探偵小説の「謎」

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁

青空文庫

ウェルズの「探偵小説の技巧」(一九二九年改訂版)第二十三章が「動機」という見出しになっているが、その分量はわずかに二頁余りで、きわめて簡略なものである。その一部を抜萃する。

『最も興味ある動機はいうまでもなく「金銭」「恋愛」および「復讐」である。これを細別すれば、憎悪、嫉妬、貪慾、自己保全、功名心、遺産問題、その他多くの項目になる。つまり、人間感情のすべてのカテゴリーがこれに含まれる。

『稀には異常な動機というべきものが用いられる場合がある。たとえば Henry Kitchell Webster の「囁く人」における殺人狂、ザングウィルの「ビッグ・ボウ事件」における奇妙な動機の如きこれである。しかし、これらは例外的な作品であって、何人も直ちに納得できるような動機を最上とする。そして、単純な動機ほど納得しやすいことはいうまでもない。殺人というものは、人間の最も原始的な衝動から起るものだから、小説そのもののプロットは如何に複雑微妙であっても、動機はできるかぎり単純明瞭で力強いものを選ぶのが、かしこいやり方である。

『プロットが許すならば、動機を余り遠い過去に持って行かない方がよい。