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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁
ドイルの「緋色の研究」や、グリーンの Hand and Ring のように、長い小説を読まされたあとで、その犯罪動機の説明が三十年も四十年も昔にさかのぼるのでは、やりきれない。この二つの作品は他の点では実に立派な探偵小説だけれども、読者にとうてい推察できぬような動機が最後に説明されることが、大きな欠点となっている。』
私も従来は大体ウェルズと同じように考えていた。トリックのメモをとる時、動機をおろそかにしたのもここから来ている。しかし、普通の意味のトリックの創意がだんだんむずかしくなってきたために、探偵作家は動機そのもののトリックを考案するようになった。古い作家ではチェスタートンとクリスティーが、この動機の創意に最も力を入れているように思われるが、近年は犯人を探すのではなく、動機を探す探偵小説さえ生れ、動機というものは探偵小説の最も重要な題目となりつつある。
さて、右の引用文でウェルズは「金銭」「恋愛」「復讐」の三項をあげているが、これでは不充分なので、次にフランソア・フォスカの「探偵小説の歴史と技巧」(長崎八郎訳、昭和十三年、育生社発行)第九章の冒頭に掲げた動機の表を次に転記してみる。