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かいていごじょうほう
改訂御定法
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《改訂御定法(かいていごじょうほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 29,422 字 · 58 頁
直衛は彼女の顔を見まもった、「――それも留守のあいだにか」
「お留守のあいだにです」
「ほかにも縁談があった筈じゃないか」
「あなたが落胆なさってはお気の毒だと思って」と云って佳奈はあやすように笑った、「これで安心なすったでしょ」
宗兵衛が睨みつけ、佳奈は知らん顔で二人に茶をすすめると、気取った身ごなしで出ていった。直衛が見送っていると、佳奈は襖のところでちらっと舌を出した。
「すっかりこけが落ちたな」と直衛は呟いた、「これで芯から元のかな公だ」
「こけが落ちたとはどういうことだ」
「磯村の妻というこけさ、おれは元の佳奈になるのを待っていたんだ」
「あいつはいつもかな公だったよ、男に生れてくればよかったって、父は死ぬまで嘆いていたがね、――ときに」と宗兵衛は言葉を改めた、「このあいだ精士館で、若い連中と立会って五人もやっつけたそうだな」
「一人は二度だから六人だ」
「どうしてそんなことをしたんだ、負けてやらないまでも勝負のつけようはあったろう、かれらはこんどの裁きに不満をもっている、ことによると一と騒ぎおこるかもしれないぞ」
「それで条件が揃うわけさ」と直衛は微笑した、「城代はじめ重職諸公、家中の若い連中から商人たち、そしておそらく、城下の住民の多くが十二日の裁決に注目するだろう、あけてびっくりかもしれないが、裁きの効果