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ほうろうのやど
放浪の宿
里村 欣三
線上閱讀里村 欣三《放浪の宿(ほうろうのやど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,066 字 · 28 頁
同時に、若者と時計屋がはね起きた。
すると、どうだ! 短袴子の赤い腰紐を引き※(「てへん+毟」、第4水準2-78-12)られたままで、ぐるりと羽二重餅のような*******修理婦が、そこら中に糸巻きや針や鋏などを一面に投げ散らして、あがき喚めきたてながら、***の黒眼鏡に****************――それはまるで一秒間と***********さであった。
「いやあッ!」と、魂をさらわれて、豆腐粕みたいにフヌケ切った時計屋でさえも、脂だらけの、はっきり見分けのつきそうもない眼玉を、南瓜頭と一緒くたに、樫の木みたいにごつごつした股倉につッ込んでしまった位だ。
若者はただ、火花のようにカッとした。それでそのまま、焼火箸に尻餅をついたような撥ね上がりかたで、闘犬みたいな唸り声をたてて黒眼鏡に夢中で飛びかかった。それまではよかったが「うぬ!」と、相手が短かく喚めいたと同時に、彼はドアの外へ右から左にそのまま吹ッ飛んで、雑草のなかに********ぶざまな格好で丸まってしまった。そして気がついた時、若者は焼火箸を尻の下に敷いた時よりも、もっと素迅い動作と、地球の外へ吹ッ飛ぶような覚悟で遁げ出した。