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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
線上閱讀林 芙美子《放浪記(初出)(ほうろうき(しょしゅつ))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,349 字 · 207 頁
二人は人を押しわけて電車へ乗る。
雨が土砂降りだ。いゝ気味だ。もっと降れもっと降れ。花がみんな散ってしまうといゝ。暗い窓に頬をよせて外を見ると、お母さんがしょんぼりと子供のように、フラフラしているのが写っている。
電車の中まで意地悪がそろっているものだ。
九州からの音信なし。
四月×日
雨にあたって、お母さんが風を引いたので一人で店を出しに行く。
本屋には新らしい本がプンプン匂っている買いたいな。
泥濘にて道悪し、道玄坂はアンコを流したような舗道だ。一日休むと、雨の続いた日が困るので、我慢して店を出す。
色のベタベタにじんでいる街路に、私と護謨靴屋さんきりだ。
女達が私の顔を見てクスクス笑って通る。頬紅が沢山ついているのか知ら、それとも髪がおかしいのか知ら、私は女達を睨み返えしてやった。
女ほど同情のないものはない。
ポカポカお天気なのに道が悪い。昼から隣にかもじ屋さん店を出す。湯銭が弐銭上ったとこぼしていた。
昼はうどん二杯たべるの――拾六銭也――
学生が、一人で五ツも買って行ってくれた。今日は早くしまって芝へ仕入れに行って来よう。
帰えり鯛焼きを拾銭買う。